[どうにか顔を上げた後も、心が落ち着くには程遠く。だから気付かなかった…気付けなかった。一月前との小さな違い>>186に。交わる瞳は手を伸ばせば届くほどにまだ近いのに、 ─── 立つ場の遠く隔たったことを、未だ知ることなく。]…、ありがとう。カヌレ、美味しかったよ。[礼を口にして立ち上がる。微笑み交わす距離は昔とは変わらないまま、けれど未だ目に見えないその距離は、もはや届かぬ程に遠いことに、この時ウェルシュが気づくことは*なかった*]