― 医務室 ―[悩んでいても仕方ないとめぼしい場所を探し手当てに必要なものを集める。荒らしてしまう心配をしていたものの几帳面な性格もあり出した物以外は元通りになおした。] 誰かに頼むよりも気楽か。[利き手の傷口を塞ぐのは少し骨が折れるだろうが他者に触れられるのを思えば不安は少ない。使いなれぬ左で右手の応急処置をする。少し時間が掛かり、不恰好ではあるが手袋に隠れるのだから気にする必要はないと、反対の手に取りかかった。]