― 戦場北 ―[>>191こちらの進軍に動かない公国兵の様は、士気の高さを伺わせる。空に掲げられた白刃の光に目を細めた。極薄く唇が歪む。ああやはり自分は戦人なのだと思わされる、緊張を薄い膜のように覆う高揚に満たされて、意気は否応なしに上がる。]はっ、動かないってんなら、このまま喰らいつくせ。[すらと腰の剣を抜き放った。]