おうよ。任せとけ。
[毎年、手を変え品を変えて密かに場を作るのもシロウの楽しみのうちとなっていた。まるで悪戯を考える子供である。
今年はキアラにも手伝って貰い、歌劇の鑑賞という名目で部屋に2人きりの状況が作られていた。
大人気の公演を王族の都合で貸し切りにすることは出来ない、という建前で急遽作られたVIPルームだ。
その部屋は劇場がシアターとして使われた時にプロジェクターが設置されていた部屋を改造したもので、劇場からは音声がきっちりとマイクで拾われ、肉眼でも見れるようになっていた。
カメラでも劇場の様子が映されており、どちらの視点からも楽しめるようになっている。]