[そういえば。――……カークを抱きかかえたソマリの姿が脳裏を過ぎる。あの時の、奇妙な銃声の重なりは] あの距離を正確に狙える人は、そういないと思ったが。 あれももしや、彼かな……。[ぐらりと揺れる脳に手を当て、遮蔽物の陰にしゃがみ込む。だらだらと熱いものが頬を流れ落ちて、小さく舌打ちをした]