ああ――…意外とかじゃ全くないんだよ。
二人ともあまりにも満身創痍で、
凄く伯仲した仕合だったみたいだから、
つい、確認しておきたくなって。
[自分が勝利したと言い切らない『一応』の前置き。>>194
そして、『譲った』という、
アイルリートらしい――捻った表現。>>198
治療のため手と術を閃かせながら、双眸は数度瞬き、
視線は大地の勇者ふたりを交互に往復する。]
そっか、とーるくんか… ……、
[よくよく見れば、アイルリートの背でいつも勇猛にはためいていた
トレードマークの黄色いマントが消えている。
大地の精霊の祝福、『勇者』として長が認めた証は
恐らく、違う形で彼らの中に存在するのだろう。]