―手紙―
これを読んでるのはクララ嬢ちゃんで合ってるかな。
もしこれを読んでるアンタがクララ嬢ちゃんじゃなくて人狼だってんなら、俺は失敗したってことだから破り捨ててくれ。頼むぜ。
さて。
クララ嬢ちゃん。俺はアンタに二つ、詫びなきゃならねえ。
一つは、アンタの光を奪ったこと。
一つは、アンタを俺の自殺に付きあわせたこと。
悪党の命一つで釣り合うとは思ってねえ。この後に書いてあることでも足んなかったら地獄宛に請求してくれ。
アンタの光を奪ったのが俺だってのはただのカンだが、俺が死んでるってことは恐らくそうなんだろうよ。
最初にアンタに会った時、アンタの視線はもうちょっとまともだったように思う。
それに、俺がアンタの家で仕事した時、アンタの親御さんは色々金を借りまくってるって聞いてたからな。
治療費だとすると辻褄が合う。
と、講釈たれてみたが、結局俺のカンだ。違ってたら笑ってやってくれ。
さて。俺が死ぬ間際にどれだけ嬢ちゃんに伝えられてるかわかんねえから、全部書くぜ。
まず……アンタは誰も殺してない。悪党の自殺に巻き込まれただけだ。いいな。