[ 運んだ人々を医療班に任せると、青年は騎竜に騎乗して、ふわりと上空に浮き上がる。
相変わらず、飛翔というより凧が空に揚がるような緩やかさで、高度をあげてから、微かな口笛で合図を送った。 ]
ピィ
[ 小さく鳴いた騎竜は、その口から細かい銀色の砂の粒子を吐き出す。
銀色の煙のように漂う砂つぶは、風に乗り、周辺へと薄く薄く広がっていった。 ]
ん、中央には、もうあまり濃い気配は無いね。四隅に逃げていった感じかな?
[ 砂つぶに混ざる精霊力が、別の精霊力に触れると、それを感じ取ることが出来る。使う機会は少ないが確実性は高い探索方だ。 ]