―現在・宿の談話室にて―[3年前、唐突に現れた自分を何も言わずに受け入れてくれたレジーナには、言葉にこそしないがずっと感謝していた。治療を勧められれば、おとなしくゲルトの父がいる診療所へと向かったものである。そのまま何食わぬ顔で居座っている自分を、嫌な顔一つせず受け入れてくれている。今となっては、まるで自分の家のように宿にただいまーと帰ってくるような状態だった。……村外れにある生まれ育った家は、大雪に潰されて今はもう、見る影もない。]