シモン、ぼくは君に会えて良かった
君はとても真面目で、村の為によく働いてくれる。
父さんと母さんも褒めていたんだよ。
[そんなある日、薪を貰いに行った時のこと
二人きりの時間に、いつもより少し多く話をした。
ぼくの感謝の言葉を聞く彼はどんな様子だっただろう。]
それに、ね。おかげで知ることが出来たんだ。
……不自由があっても、立派に生きていけるんだって。
[少しだけ、目を伏せてぽつり語ったのなら
すぐに元通り、にっこりと笑いかけた。
「どうか無理はしないでくれよ」
あの頃から変わらず、いつもいつもそんなことを言うのは
シモンをこの村の人間と認めているからこそ。]*