― セミヨン川南岸 ―[狂気の色増す橋近くの戦場を、ついと離れて揺らぐ光がある。良く見れば人の形を成す、不気味な青の光だ。もしも敏い者が目にして手を触れれば、彼はたちまち青褪めた死に至るだろう。或いは更に敏きものが聖なるものを振りかければ、幽鬼自体が滅び去る。その程度の儚いもの。だがその幽鬼も、自ら人に手出しすることはない。ただふわりふわりと漂って、馬上の金>>187をみとめれば、黙って虚空に僅か漂う様子であった*]