ウルルルルルル…………
[血による興奮は、今は薄かった。
彼はその後どれぐらい生きて、
どれくらい抵抗を示したのだろう。
彼がその生命を終えた後、
フンフン……と匂いを嗅いで。
ぐるぐる、その遺体の周りを迷うように
四つ脚の獣姿で巡った後。
奪ったのは彼の両眼。
とはいえ顔に噛り付いたから、
抉るよりも傷跡がひどくなってしまったかも
知れないが]
………嫌いじゃ、なかった。
[ぽつりと落とした、人の言葉。
人の姿に戻った娘は、よろよろと
その場を後にしていく。
狩の興奮が終われば体がひどく痛い。
どこで休もう、と彷徨い歩く。
ズキン。
ズキン。
………………………ズキン]*