会話は聞こえないけれど、笑顔がとても楽しそうで―――。][もう…、行っちゃうんですね…――。わかっていました、最初から――。それでも、あなたの笑顔が咲く場所がそこにあるなら――俺は幸せです。あなたが幸せなら、俺も幸せです……――。俺は紅茶に口を付ける。兄ちゃんが煎れてくれた紅茶、赤い紅茶――。『――……ディーク、ごめん、な……』申し訳なさそうに謝ってくる兄ちゃんに、俺は首を傾げた。どうしてそんな顔するんだろう?――"兄ちゃんは何も悪くない"のに――。*]