[ アレイゼルが近付くにつれて、徐々に重くなっていくのがわかった。軋むような痛みは生きている証である筈だったが、命の源でありながら塵溜めに吐き出される怨念のような重さが自分を苦しめる。]
( …長居は不要ですね。)
[ 引き返すべきだと、思った。だが、実質的な初出動を自分の体調不良で取り止めにしていいのかという逡巡と]
( いざとなれば病人の方が街に居続ける理由として、都合がいいですし。)
[ 拙い後知恵が、その判断を果断とは程遠いものにさせていた。
サシャ達がアレイゼルに潜入にするのに前後して、解放軍の重鎮がアレイゼルに入場する。
そしてサシャは部下達にその様子の監視を命じると、自身は宿で耐え切れずに倒れ、街の医者の問診にかかる事となった。*]