—カフェ跡—[辿り着いたカフェの名残は荒廃の度合いがコテージよりも薄い。それでも潮に晒される環境では建築物の痛みが目立つ。辺りは夕暮れを越して、誰彼分からぬ昏さ。太陽が沈み切る前に探索を終えたいものだと、急ぎ足に近づくと、停まっていた何かが羽をばたつかせて飛び立った。音の大きさに気づいた何者かが向けるライトが白く目を焼いた。>>197] うわっ、まぶし……! ——おーい、誰さん?[手の甲で目を覆い、指の間から目を細めてシルエットに声をかけた。]