―――…。[聖将の右手が床を叩く。膨大な力が爆発する気配に、城主は腕を差し上げた。周囲より伸び来たった野茨の蔓がまるく籠を編む。守りの形に展開する茨は、城主と弟を包み、もう一人をも飲み込もうとした。] おいで。森の仔。 君は、そちらにいるべきものではない。[落ちゆくアデルへと、茨が伸びる。]