[酒の席で女房と娘が死んだ事件の話をしたときは、静かに肩叩いて慰めてくれたっけね>>59。
上っ面だけの同情の言葉を掛けられるのは嫌いだからね。
何も言わずにいてくれたのが嬉しかったよね。
その後、煙草で茶化してくれるのとか。ありがたかったんだよ。
どいつもこいつも『辛かっただろ』『寂しいだろ』とか言ってくる奴等だったから。
黙って聞いててくれてる方が、よほど嬉しかった。
警備部辞めると聞いたときはさすがに驚いたよ。
何で? って理由を聞いたけど、答えてもらえたっけねえ。
答えてもらえなくとも、詮索はしないまま。
長く生きてりゃ、隠したいことが1つや2つはあるもんだから。
何か言えない理由があるんだろう。それだけで十分。
引き止めることなんてしない。説得なんてナンセンス。
だからそのまま、ね。]