これ……。[煌きは集い、手の上で綺麗な正八面体の結晶を作り出す。ぐ、と握りしめると、さっきまではおぼろげにしか感じられなかったもの──風の力が、はっきりと伝わって来た。それと共に、どこか、遠い所から静かな声がひとつ、響く]『……翳りを吹き散らして、未来《さき》へ続く道を拓いて……』……っ!?[周囲で歌う声とは違う、コエ。それは、少年の内にのみ響いて、消える。願うような祈るようなそれが何かははっきりとはわからない──けれど。大事な事を言われた、というのは、認識できた]