[思わず息を呑んだのには下らない理由が二つほどある。ひとつは祖父が飛行機の類いを何でか目の敵していて、それを聞いて育った部分があるから。もうひとつは………。 ──俺の幼ない初恋の女の子が矢印を向けた先が、航空兵の息子だったという事。つまりアレだ、刷り込みから来る毛嫌いであり、完全なる幼ない頃の私怨ってヤツだ] 顔、合わせねぇといいなぁ。[ボソリと願う様に呟いて、俺は上司の持ち場へと向かった**]