聡明な貴女には、わかっているはず。 あるいは、もう始めているのかもしれない。 おれも…待てないとはいいません。 貴女がほしい。 ですから──期限を切りましょう。[いつまでに答えを貰えますか、といまだ離さぬ指先に、わずかに力をこめた。国の柱を担う姫を親しくシルキーと呼び、その手に接吻けたカナンは、持ち前の強さを、事態に対する主導的立場を取り戻しつつある。口調にも、それが出た。恋い焦がれることを隠さない視線はいまだシルキーの上をひたと離れず、動悸は全身に熱い血潮を送り続ける。]