― 上空 ―
[唐突な求めに対し、力持つ者たちは即座に応じてくれる。
その様子に嬉し気な笑みが浮かんだの一瞬]
……ヴァイス、真体解放!
出し惜しみ無しで行く!
[正確に言うと、支えてくれる者が欠けているから出し惜しんでいられないだけ、なのだがそれはさておき。
宣に白銀の聖銀竜は甲高く、歌うような咆哮を上げて大きく翼を羽ばたいた。
紫色の光がふわりと飛び散り――一瞬の後に、その姿が変化する。
白銀の鱗持つ身体を同じ色の羽毛が覆い、皮膜翼の翼が鳥のそれ思わせる二対四翼に変化する。
その変化を受けるように、手にした剣が帯びる光が輝きを増す。
騎竜たちには、その変化の意味するところ――『竜皇』の降臨と、それによってその祝福受けた剣が力増した事が伝わるだろう]