[地上からも箱舟とやらの飛行と、それに続く異変は見えていた。
あれほど巨大なものが推力も無しに浮かぶとは驚嘆のひとことであるが、あの程度で驚くほど伊達に年は取っていない。
その後、繭になったのはほんの少々驚いたが。]
むん?
ダーフィト船長、だと?
[臨時元帥付きの魔道通信兵から連絡を受けて、例の黒い帆船から着艦場所の打診を受けたと知る。>>194]
ならば北部のファレーズ飛行場を空けてやれ。
あそこはまだ潰されていなかったよな?
[にやりと笑ったのちに山岳地帯の中ほどにある飛行場を指示する。
半ば谷に隠れている飛行場は、天使の攻撃も受けずに済んでいたはずだ。
代わりに侵入角がシビアで、飛行船乗りには魔の飛行場と呼ばれているが、それで音を上げるようならあんな船には乗っていないだろう。]