あんたが俺を好いてくれるっつーんだったら別にいいが。
[レトが呟いたその言葉には、エルフは返事をすることができなかっただろう。>>143
『好き』という感情。……これもエルフにはわからないことだった。
人間は『好き』だから恋をするという。好きであるが故に怒ったり泣いたり喧嘩もするのだが、好きだからその人のそばにいたいと願うものだと。
……けれど、エルフにはそれらが何一つわからない。彼女はいつも一人で、未だかつて誰かのそばにいたいと願ったことはないから。
――どうしたら『好き』という気持ちを知ることが出来るのだろう、と……]
ん……。
[どれくらいうつらうつらとしていたことか。酔が覚める頃に自然と目が覚めたが、まだまだ宴もたけなわと言ったところだろう。]
……。ありがとう。
[レトは小柄な女性と話しているようだったので>>175>>182、代わりに白い龍の子に礼を告げておく。美味しそうにミルクを飲んでいる様子に少し笑みをこぼしながら優しく頭を撫でたあとは、邪魔にならないよう静かに代金を置いてその場を立ち去った。
彼の上着は>>147、丁寧に畳んで椅子の上に置いておいて。*]