『おかえり、おかえり』『みちびきのかぜ。めぐり、かけてさきをめざすもの』『じゆうなるかぜのみたまつぎしもの』『なげきをふきちらし、きぼうをよびこむもの』……じゆうなる……かぜの、みたま?[ぽつり、声に出して呟く。応ずるように、胸の奥で何かが熱く疼く。それと共に、周囲を巡るものが何か、がぼんやりと認識できて。それに惹かれるようにそ、と手を伸ばす。風がその上をふわりと過り、澄んだ翠の煌きをそこに残した]