(……もう昼か。)[「ありがとう」という声とともに、感じていた体温がそっと離れ、あたたかい掌が俺の毛を撫でる。夢うつつの中でぼんやりと感じていたものが、だんだんとはっきりして目覚めへと向かっているのだろう。](……寝汚いのは自覚している。)[もう一眠りしようかと、微睡に身を任せようとしたそのとき……「君、何ていうか名前なの?」そう、頭の上から声がした。]