― 執務室 ―[気配を感じた、というわけではない。単に、扉の開く音を聞いただけだ。] なんじゃ。 ノックぐらいせい。[声を掛けた後で、扉の向こうに誰もいないことに気づく。───いや。いるだろう、と思えばその周辺が不自然に翳っている気がした。] 最近の天使は礼儀がなっとらんな。 姿くらい見せんか。[勘と推察だけで、そんな声を掛ける。]*