[失血しきった獲物から何とか搾り取ろうと、鋭い蔦が心臓を貫く。弛緩した兎の体が揺れて胸の鎖がジャラ、と鳴った] ──…[引き抜いて突き刺してを何度か繰り返し。まだ奪えるものはないか鎌首で兎を揺すり始め、 その蔦が音もなく、バラバラになった] ───……… …[兎を吊り下げていた蔦も、竃に渡された棒も全て等間隔に断面を晒し、焔の中へ落ちて行く。支えを失った白兎も落ちて、焔が赤から黒へと色を変えた。厨房中に真っ黒な火花が無数に散る]