[だから急ぐワケじゃないけど、と誰に言い訳するでもなく嘯いて、砦に乗り込む。
総員招集だ。
事情説明は後輩に任せ、ディークは木炭で壁に図を描いた。]
屍鬼対策に、馬防柵を使う。
ピンボールゲームのように柵を並べて誘導し、その先で炎の壁をもって封殺する。
ネクロマンサーが近くにいなければ、なんとかなるだろう。
[有象無象の屍鬼に愛着するシメオンではなかろうが、なにしろ炎は目立つから、気を引いてしまうおそれはあった。
まあ、その時は術者当人を狙うとして──ちと手強い護衛が怖いけど、と言葉には出さず算段する。]