[雑兵どもがいくら散ろうとも、魔王は些かの痛手とも思わない。
魔王の御座たる"Z"は、クレレットの街を南北に横切る街道の中ほどに位置していたから、ここまで炎が届くこともないだろう。
小さな駆動音と共に城塞が身じろぎ巨体を持ち上げれば、戦場の方向がより見えるようになった。
玉座の傍らにある装飾を、掌で軽く撫でる。]
なかなか良い趣向だったが、このままでは街に燃え広がるかもしれないな。
この程度の街、灰になろうと一向に構わないが──
この状況、おまえならどう収める?
[酒の肴の続き、とばかりにシメオンへ問いかけた。]