[今何が起こったか。男はしばらく理解が追い付かず、自身の顔に張り付いた水の感触にしばし呆然とする]
『貴様!貴様!何を呆けている!敵だ!人狼が来ているぞ!』
[ドンの言葉にようやく我に返る男。しかし]
(ぬ、ぬぅ……。どうにも気合が入らないのである)
[男にはどうしても目の前の少女が人狼と結びつかず、どうにも彼女を倒そうと言う気分になれない。
とはいえ、敵対しているというのは状況的に変わらず。何かしら対応せねばならないのだが]
[筋肉による鎧(肉)で防護を固め、迎え撃つ構え。
腰を落とし、何が来ても何かしらの対応をしやすいように。
暗く下手に動いても泥沼になりそうな事と、自分から攻める気になれなかった事からの男の戦術だが、奇しくも真正面からやってくるらしいドロシーの行動>>191とある種噛みあう戦術であった]