いや、おっしゃる通りゴミは持ち帰らないと。
こうしてお嬢さん方に叱られるんで。
[フレデリカから飛び出た真面目な言葉に噴き出しかけて、
慌てて真面目くさった顔を作り、冗談めいた口調で混ぜ返した。
小さく落とされた謝罪にはゆっくりと首を振って仕方ないと告げ。
しばらく同じように暗い海を見、ふっと表情を緩めて呟いた。]
ここいい景色ですよね。
昼間にも見にきたが、星空の下となるとまた絶景だ。
ほら、空と海の境があんなに遠い。
……遅れた連絡船が見えないかと探してたけど、
ま、やっぱり気配はないです。
[水平線をなぞるようにもう一度見渡して。]
漁師船でもいたら本土と連絡を取れるなと思ったんですが。
明かりで信号を送ったりなんかして。