ここで聞かなければ、あの時と同じまま、今後も変わらぬままだろうな。
人は前に進むものだ。前に踏み込まなくてはいけない。
聞かせてくれるのならば、聞こう。
(――このようなことを言っておきながら、
俺はカサンドラの味方だから、と堂々と言えないのだからな。)
[同時に、彼女が己に対して重大な秘密を告げても良いと、
観念したのだ。
向けられる視線を避けることは無く、瞬きすれば彼女の決心に対して失礼だと、なるべく瞳を見開いたままに。
この後、真実を聞くことにより多少なりの後悔は発生するのだろう。
彼女の脳に“ガルー”が居る。
即ち――己と似たような存在であること。
殺せるのかと言われれば、恐らく言葉に詰まるだろう。]