お伴致します、果てまで。[問われた声に顎を持ち上げ、随伴を希う。>>189 王はひとりでも違わず歩まれるだろうが、僅かなりと力を尽くしたいのは魔獣としての本能。 黒衣を翻せば王の傍らに控え、同胞らと並び。 まだ強大な威圧が消えぬ建造物を見上げよう。 決して竦むことはないが―――、 すん、と鼻孔に覚えた気配。 意外な色を瞳に込め、門扉を見つめれば瞳が揺れる。 よく馴染んだ、宵闇の匂いがした。*]