― 移動魔城"Z" ― あっはっはっは。 これはいい。 人間ども。なかなか楽しいものを見せてくれるではないか。["Z"《ツィーア》にある玉座の上で、魔王は橋の北側の惨状を見ながら手を叩いて笑っていた。] 鳥に油を運ばせるなど、賢しらにも良く考えたものだ。 次は兵でも吊り下げて送ってくるかな。[いくつも燃え上がる炎は、鏡越しではなくとも遠望できた。立ち昇る黒煙もまた、風に乗って流れてくる。血と炎の臭いは魔王を機嫌良くさせた。]