人狼物語−薔薇の下国

497 堕天の服従試験


蒼眼の天使 カレル


[ しかしそれも崖の下とならば首を傾げる。
 どろりとした闇を覗く退屈の面白さが
 言葉だけでは分からなかったからだ。
 だが、次の瞬間身を硬くした。 ]

  あの、……クレメンス。
  そろそろ、抜いてしまわないの?

[ そうして未だに繋がったまである下肢を
 見やりながら僅かに腰を捩る。
 するとほんの隙間から垂れる一滴に
 睫毛が震えた。

 これは良くない傾向だと思いながらも
 時たま気紛れに突かれた奥は、
 今や別の器官のように彼に馴染んでおり 
 なんだかこのままだとよろしくなく思えた。 ]

  ぼく、もう元気だから大丈夫だよ。
  ほら、もう透けてもいないし、
  何もしなくても消えないんじゃないかな。

[ だから抜いて、と言外に告げながら
 視線は崖の下へと向く。
 好奇心が盛んなのも幼さ故なのかどうか
 曝け出す無防備さは彼だけのものだった。 ]*

(197) 2018/03/30(Fri) 23:56:06 (24kisouth)

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