そうか、軍人として手伝ってくれていたのか。
……なら有難う。済まなかったな。
[普段ならもっと感情を込め礼を言うのだが、
それすら短く、語り口も棒読みに近く。
彼女が軍属だった、と聞いたのは店の常連になり始めた頃だろうか。
最初は信じられずに居た。
なら何故調合師、花屋を営んでいるのかと。
ごく当然の疑問を抱き、直に問い掛けたが当時ははぐらかされた筈>>164。
気まずい空気のまま、幾分か経過しただろうか。
彼女は何時もと変わらぬ笑みを浮かべたが、
それはどこか乾いたように見えて。
間髪置かず告げられる忠告は、相応の決心なのだろう。]