……急ぐぞ。[中空を飛ぶような灯など、人間の手ではなし得ない事。吸血鬼の仕業ならば、このまま居続けるのは危険だ。子供を教会か、何処か安全な場所に連れていかなければ。──安全な場所など何処にある。過った考えを切り離し、作業に戻った。蝙蝠の羽搏く音がする。近付く度に振り払いはしているものの、数は増えてきたように思う。陽が落ちて空を覆う必要がなくなり、自由に飛び回るようになったのかもしれない。*]