あの頃、君が無理をしなくても良いと言ってくれたから。私には私なりの道があると言ってくれたから。私は、剣ではなく知識を武器にしようと思えたんだ。それが少しでも、……役に立っているといいんだけど。[何にと言わぬウェルシュの顔には、柔和な笑みが浮かんでいる。国の為に、父の為に…──兄の為に。国の民と人々の為に、この力を役立てられているのだろうか。これからも、役に立てるだろうか。]