[喩えるならば、気に中てられたというべきか。
今思えば、あれは王者だけが持つ、覇気というものなのかもしれない。]
うぅ……
[短慮なクマでは、この状況をうまく理解することが出来ない。
しかし、「この少年には勝てない」、それだけは本能ではっきりと理解することが出来た。
視界がぐるぐると回転している矢先、山刀が突きつけられる。
そして再び、子分になれとの言葉。
先程と同じ言葉だが、二度目の言葉は、周囲には聞き取ることが出来なかっただろう。
まるで直接心臓に問いかけてくるかのような命に、抗うことが出来なかった。]
お前、一体………