人狼物語−薔薇の下国

144 クルースニク、襲来!


純血種 アプサラス

― 西の塔 ―

[血子に視線は向けたまま、遣いに出した黒蝶へと僅かに気を注ぎ、同調を試みる。
蝶が差し掛かるは城内の廊下、風を右腕に纏う男の頭上。
ふらりと風に惑うように、一度だけ弧を描いて、音もなく行き過ぎる]



 ………、……?


[円舞に翅を翻す蝶が伝えた、微かな違和感。
警鐘よりも呼応に近い感覚は、余計に引っ掛かる。

自分が呪を授けたのは、眼前の息子だけだ。
厄介事を呼び込まぬよう、人里に降りる時も、双眸に宿す力は必ず抑えて――


――いた、と断じるを阻む記憶が、唯一つだけあった]

(197) 2014/02/19(Wed) 22:31:45

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