我々としては、帝国艦隊を殴り続けることが可能だったし、殴り続ければ、或いは勝利を収め得たかも知れんとも思う。…が。
その戦術的勝利のみをもって事に臨むより、対話を受け入れ、一度矛を収めて再び臨む方が、求める戦略的勝利…あの皇帝陛下の心へと手の届く可能性が高い。そう考えた。
…ああ、いや。不思議に思ったのじゃないかと思ってな。
何故あの状況で停戦をしたのか、と。
それについて一々全員に説明して回る暇はないが、お前さんには理解しておいて貰う必要がある。お前さんには、一度帝国側へ行って貰いたいんでな。
───シコンへ。