[その意のままに、陣を離れたカードが翻り、魔導炉の経絡に斬りつける。
それは、雷雲と戯れる竜巻にも似て。
力を見せびらかして面倒事に巻き込まれるのは面倒くさい、という主義のディークが、このように全力でカードを展開するのは、極めて稀といえた。
それだけ、ここはコアだと直感で掴んでいる。
自らはカードを踏んで位置を変え、追いかけっこを誘うように走り出す。]
こういうの好きか、おまえ。
遊んでやるのはやぶさかじゃないが──しゃべれるなら教えてくれ。
ロー・シェンを知っているな? 食ったか?
[関心を自分から逸らすのが目的ではなく、一番、知りたい相手のことを率直に訊いた。]