[前に立つマーティンの背中越し、視線を振って周囲を見る。橋の上では軽歩兵たちが奮戦している。その前に立ちふさがる敵騎馬隊もまた、不退転の気迫みなぎらせていた。橋の手前には、幾度も繰り返した攻勢を経て、なお動かぬ敵本陣。その傍らには歴戦の将の姿がある。平原の向こうでは、太陽がゆっくりと地平線に近づきつつあった。] ───…………。 … 退こう。[長い沈黙の後、言葉を落とす。]