[額に柔らかいものが触れる感触。目が覚めきらないまま腕を伸ばせば緩く抱き返される]
ぉ、きる…
[外へ出ようと用意をしている背中に、起きる気配見せぬまま訴えれば背中に腕が回されて起き上がらせてくれる。起きようと思えば起きられるけれど、柔らかく甘やかされるのはとても心地よくて全力で甘えかかった。そして先にたって扉を潜った彼の洩らした言葉]
え、今度は何の部屋?
[増えている、という声に居間を覗き込めばたしかに昨夜まではなかった筈の扉がひとつ]
……あいされてる、ね?
[この家に住むようになって、よくあることではあるのだけれど。元神としての金貨がどれだけ神々に大事にされていたかという証明のようで、ちょっとだけ唇をとがらせた]