人狼物語−薔薇の下国

497 堕天の服従試験


邪眼の怪物 クレメンス

[ぶつかる視線からは、もう逸らさなかった。
 観念したというよりは、腹を括った所為。
 彼を得ることにより、己は平静を遠ざけてしまうだろう。

 怒りもすれば、悲しみもする。
 そして、彼を愛しもするだろう。
 完全な怪物を捨て、不完全で混沌とした変容。

 全ては彼が己に齎したものと思えば、忌避感は無かった。]

 君のあいは―――、

[勝手に伸びた舌が、彼の唇を舐めた。
 これも衝動、彼に向かう独占の発露。]


 私のものだ。


[神経がぴりぴりと焦げる程の高揚感。
 充足は身体中を騒がせ、不意打ちで熱杭も脈を打った。]

(196) 2018/03/26(Mon) 01:25:07

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