[ぶつかる視線からは、もう逸らさなかった。
観念したというよりは、腹を括った所為。
彼を得ることにより、己は平静を遠ざけてしまうだろう。
怒りもすれば、悲しみもする。
そして、彼を愛しもするだろう。
完全な怪物を捨て、不完全で混沌とした変容。
全ては彼が己に齎したものと思えば、忌避感は無かった。]
君の
[勝手に伸びた舌が、彼の唇を舐めた。
これも衝動、彼に向かう独占の発露。]
私のものだ。
[神経がぴりぴりと焦げる程の高揚感。
充足は身体中を騒がせ、不意打ちで熱杭も脈を打った。]