……母様には、ないしょだよ?[一しきり騒いだ後、そんな前置きをして。軽く擦りむいた手に滲むあかいいろを一滴、掬い取って指先に乗せて] ……いたいの、とんでけ。[小さな声で紡ぎながら、怪我をした部分に指先を押しあてる。薄紅色の光がふわりと舞い、それと共に怪我の痛みも引いてく。怪我の痕自体を、完全に消す事はできないけれど]