きゅ。ぐ。[無理に欠伸を堪えた代わりに変な音が出たが、ついでに眠気は少し吹っ飛んだ。] やばいやばい。 偉い人の演説真っ最中に欠伸は駄目だぞ、って兄貴が言ってた。 ……おい。おーい。[とうとう頭の位置が下がりはじめた隣に肘鉄ひとつ。力が入りすぎた気はするが、これは親切である。寮の象徴たる兎のもふもふ優先権を聞き逃した同輩が寮長や先輩方に注意を受けることはどうでも良いが、目の前のスープに顔を突っ込むようなことは許されないのだ。]