[そんなある日、彼は目敏くも装飾と紛らわしいだろう鷹笛について尋ねてきた。>>157
その時は吟遊の声がなかったのもあって、俺は彼を店外へ連れ出すと、装飾代わりの紐を持って勢い円を描くよう回してみせた。]
…来い、ベルフィ!
[人には風を切る音しか聞こえないだろうが。
その音に呼ばれて、上空から羽撃きの音と黒い影が近付いて来るのは比較的直ぐだ。
その大きな体躯の翼を折りたためば、止まり木のように差し出していた腕に止まる。]
これが俺の相棒なんだ、触ってみるか?
[そんな風に尋ねてみたりもしただろう。
“ベルフィ” というのが、異国で雪を意味するとも口にして。]