―少し前・教会―
[教会の前でヤコブと挨拶を交わす>>187。
どこかぎこちないやり取りの中、それでも今年は豊作であったと聞けば、それは良かったと心からの笑みを零す。
各地の巡礼教会に滞在する間、その土地の収穫を手伝う事もあった。しかし、凶作となった地も少なくはなかったから、幼馴染の畑の事は遠方からも気にしていたのだ]
ああ。
春になれば、また旅に出ようと思う。
[やがて近況を尋ねられれば頷き、穏やかに言葉を返す。
元々ヤコブにあまり信仰心がないことは知っているし、3年前の『なにか』以降は用事があるとき以外、教会に近づく事もなくなってしまったから>>189、今ではもう彼に告げるのは旅に出る事だけだ。
それまでは、村に帰ってくればどこで何を見て、次はどこにいくつもりなのかなどと話したものだけれど]