[クラスメイトの好葉がこちらに向けて苦笑している>>112のには気づかないままに、玲緒はもう一度視線を景色流れる窓へと向けようとした。
亜梨沙の手元を見ていると、戻れない出会った頃の事を思い出して、胸の奥がきゅっと締め付けられた様な痛みを覚えてしまうから]
(ほんとうは、見ていたけど)
[忘れてしまった手のあたたかさ。
見ていれば思い出せそうに錯覚するから、つい視線で追ってしまう。
さすがに隣の席では何度もそうしていると気づかれるだろうと思い、無理やりに視線を景色に向けさせようとしたのだ。
と、その時。
人の気配を感じ、玲緒はもう一度好葉の方の座席へと顔を向けた。
タイミングは、ちょうど亜梨沙と同じ頃だったか>>166]